イギリスを構成する4つの国の中でウェールズで日本では馴染みないんじゃないでしょうか。かくいう私も行くまで正直知らなかった。ごめんなさい!!
いざ行くとなると色んな情報が欲しいのに中々リサーチに上がってこない。英語で調べてもこちらもそんなに。実際のとこウェールズってどんなとこなのさ??
ウェールズに3ヶ月滞在してみて分かった基礎情報をまとめてみました。これから観光しようと思っている、住むことになったから実際の情報が欲しいという方に向けて書いています。
私が滞在したのはウェールズの都市、カーディフです。ウェールズ全土に当てはまることばかりでないことをご承知おきの上読んでいただけると幸いです。
ウェールズの位置
ウェールズはそもそもどこにあるのか?というと、イギリスの大陸を正面に見て、左側に位置しています。
国と言うと陸が離れているのかと思いきや、陸続きです。なので電車やバスでイングランドからウェールズに行くことが可能です。
ヒースロー空港からは高速電車とリムジンバスが通っていて3時間くらいでカーディフまでは行くことができます。電車のがわすかに早いんですが、値段が高いしストライキで使えなくなるのも困るので私はバスしか使いませんでした。
右側にイギリスの首都ロンドンがあって、左側にウェールズがあるというとイメージがつきやすいでしょうか?
そもそもイギリスの正式名称はUnited Kingdom of Great Britain and Nothern Ireland(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)、つまり連合国です。
イングランド(皆さんが思い描くのは主にこちらかな?)、北アイルランド、ウェールズ、スコットランドの4つからなります。ややこしいのはアイルランドと北アイルランドがあって、イギリスに属するのは北アイルランドのみ。
ヨーロッパのほうは歴史が複雑すぎるからこんなことになる。領土問題にかんして今回は割愛します。なんせ書ききれないし、分かりやすくまとめてくださってる方が他にいらっしゃるから(笑)
ウェールズはイギリスの中で南側に属するのでサセックス。近くにはローマ時代に温泉が栄えたバースやロゼッタストーンがお隣にあるので、電車で1日観光に行くことも可能です。
ウェールズと王室
イギリスといえば王室がありますよね。2024年現在はチャールズさんが国王です。チャールズ国王の過去のせいで、もともと低い王室の支持率は余計微妙みたいですが…
ウェールズもイギリスの一部ですから立憲君主制、しかし統治しているのはチャールズ国王ではありません。
息子のウィリアム王子とキャサリン妃なのです!なぜか?
これも歴史が関わってきますが、簡単に言うと、代々イギリスの次期国王がウェールズを治める、それがウェールズがイングランドの統治下に入ってからの習わしとなっているからです。
皇太子夫婦のinstagram名もよく見ているとprince and princess of wales(正式名:The Prince and Princess of Wales)になっています。
かといってウェールズに住んでいて、王室のことを感じる瞬間があるか?といえば全くないのでそういえばあったね、なんてそんなかんじでみんな過ごしてます。
エリザベス女王が亡くなられた時はさすがにみんな悲しく感じたそうですが。
ウェールズの政治
イギリスは議会制を取り入れているので、首相がいます。大統領はいません。日本と一緒。
ここでウェールズの首相は誰になるのかというと、スターマー英国首相(2024年現在)になるわけです。
じゃあ、ウェールズには個別の首相はいないのか?いえいえ、あります。
ウェールズにも議会はあって、ウェールズの首相がいます。現ウェールズ首相はモーガン氏(2024年現在)でウェールズ史初の女性首相になりました。
ウェールズだけでなく、スコットランド、北アイルランドもそれぞれ独自の議会を持っています。独自の政治意識があるんです。別に我々、イングランド人じゃないですから、っていう反骨精神感を感じる…
イングランドから独立投票も何回も行われている。ウェールズも独立を支持している人たちがいます。
これには色々意見があるわけですが、私の知人ウェールズ人の一人は、私達はスナク(2023年時英首相)ではなくウェールズ首相の言うことに耳を傾けるのよ、と言ってました。
別の話では、ウェールズが他国の人に伝わらないからイギリス人だと答えたら、他のウェールズ人に今後二度とイギリス人なんて言うな、ウェールズが分からないなら、教えてやれと言われたことがあるそう。これは少し意識高めなお話だったわけですが。
ウェールズ人にはイングランド人と言ってはいけないという冗談があります。または言ったもんなら、訂正されて違います、ウェールズ人です、と言うという冗談まであります。
ただ連合国諸国みんなで共通することは、王室と政治家に信用がないといったところでしょうか。
ウェールズの人々
ウェールズ人のことをWelish(ウェリッシュ)と呼びます。ウェールズに住む人達ってどんな人なんでしょう?
私がウェールズの都市カーディフにいたときの感想としてはこんなかんじです。
- 穏やか、優しく思いやりがある
- バスではお年寄り、ハンディーキャップのある方、子供たちに迷いなく席を譲る
- ありがとう、ごめんなさい、アイコンタクトを常に忘れない
- 働き方は日本人と変わらずハードワーカー
- 歩行者は信号無視を軽やかに当たり前に行う
なんだかそんなに日本人と変わらない気がしました。なんだったら日本人より親切丁寧なコミュ力高めなんじゃないの?って思いました。
海外あるあるな列を抜かされるなんてこともなかったですし、むしろ先に並んでたでしょ?みたいなかんじで譲ってくれたり。質問しても快く答えてくれる、知らない人にも話しかける。バス待ってる時に会話が始まるなんてことも。(とはいえ、どこに住んでも悪い人や機嫌悪い人はいますからそこはお気をつけて…)
ジェントルマンで知られるイギリス文化がこういうところで出ているんですかね。
働き方に関しては、職業によると思いますが夜遅くまで働く人も全然いました。現地で知り合った友人たちは夜まで働く派。中心地の会社も明かりが遅くまでついていたり。
都市で郊外のほうで違いがありそうですが、少なからずウェールズでは働き者な方たちが多かったようにお見受けします。
あと、信号無視についてなんですが、これ理由があります。
ウェールズもイギリスと同様で信号待ちがすーーーーーーっごい長い!!一生渡れないのでは…というほど待たされる。なぜなら車の信号が変わっている。日本みたいに合理的な指示を出してくれない。
今渡れるぞ、ってタイミングで渡らないともう、すんごい待つことになる。慣れない人がやると本当に危ないし、クラクション鳴らされたり事故になるので要注意です。周囲がやってるからといって迷いながらやると本当に危ない。
ただずっといると分かってくるし、慣れてくる、タイミングが掴めてくる。
最初は不安なのでしてなかったんですが(最後までしてはダメである)、信号無視して渡ってきた人たちが「あなたなんで待ってんの?」みたいな心の声が聞こえてきました…
ウェールズの言語
ウェールズの公用語は英語です。英語の訛りが強いと聞いていましたが、私はそこまで気になりませんでした。はたして私の英語力の問題か訛りが問題なのかも分かりませんけど。
ウェールズの中でも北に上がれば上がるほど、ウェールズ色が強くなると聞いたのでもっと上に上がれば訛りが強かったのかもしれません。
そして、ウェールズにはウェールズ語があります。これがもともとの言語です。
数年前まで使用を禁止されていたたそうですが、今では至る所でウェールズ語の表示を見ることができます。標識や公共交通機関のアナウンスとかですね。
ウェールズ語しか話せない、ウェールズ語表示しかない、なんてことはカーディフにはないのでご安心を。
しかし、ウェールズ語を話せない、読めない人はいるみたいですね。簡単な読み書きや会話ならできるという人もいます。
ウェールズ語の学校があって、学校にいる間はウェールズ語で授業を受けるみたいです。英語の学校かウェールズの学校か、親子の意思で選んで通うことができます。
ウェールズ語は難しいみたいで私は挑戦しませんでした。文章にするともう本当に何がかいてあるか分からない暗号に見えました。知人のお孫ちゃんは小学校で諦めたらしいです(笑)
ウェールズ語を学べる学校もあるみたいなので、長期滞在する際に通うのもありかもしれません。仕事の要件にウェールズ語を話せると良いというものも見たことがあります。
ウェールズの物価
イギリスは物価が全体に高い。日本の2倍!!ウェールズはロンドンより低いと聞いてましたけど実際どうだったか?
いや、高いっ!! マックやスタバが高級すぎんだけど!! ただお茶しに来ただけなんだけど高級店にでもわしゃ、来たんか??!!一回5,000円くらい飛んでいく…ってなかんじで、日本から来るとどうしても物価高の煽りを受けずにはいられなかったですね…
スペインから来てた子がクレジットカードの明細を見て、驚いたと聞きました(笑)いったい何にこんなに使ったっけ??ってなったと。
ドイツに住む知り合いがいますが、その人の話を聞いていてもやはりイギリスの物価は異常。
私10年前にもロンドンに来たことがあり、最終日お財布がすっからかんになりすぎてスリにあった…?なんて疑ってしまうほどでした。それを心に留めた上で来ましたが、やはり高い。
私の知人ウェールズ人の娘さんはWワークをしていたし、光熱費・水道代引き上げ、物価高騰、コロナの影響で多くの人が失業、お家を手離す人たちが後を絶たないなど、みんな生活に苦しんでいるようでした。
ブリジットが影響しているのか?とも思いましたが、それ以前から物価高は問題だったようです。
ただそんな中でも街中のホームレスは多くないです。というかそんなに見ない。
これはイギリスの手厚い社会保障が理由です。申請すれば彼らはシェルターが用意され、お給金も貰える、むしろ働かなくても生きていけるという現象が起きています。
社会保障が手厚い結果、働かない人が楽をして、働いている人が生活苦という状態が起こっています。もちろん若い人がホームレスにならざるをえないという悲しい状況も起きてるんですが、保障を受けずに働ける人が働かずに給付金で生活しているのも現実です。
道端にいるホームレスたちはお金を要求して、そのお金をドラッグやギャンブルに使ってるというのも聞く話なので格好に騙されずお金を恵まないよう注意してください。
ウェールズの家事情
一軒家とかももちろんありますが、ウェールズで家を借りるとなると基本シェアハウスになります。
平均値は£500〜または£600〜で、おおよそ日本円で約¥10万〜。
シェアハウスは大体一人部屋で、トイレ・お風呂・キッチンがシェアというのが一般的なので日本みたいに完全一室というのはないと思ったほうがいいです。
完全一人部屋が欲しい場合は一部屋(トイレ・お風呂・キッチン付)で最低値が£700〜(¥13万〜)くらい。ロンドンだともっと高いんでしょうけど。中々そういう部屋を見つけるのは難しかったです。
ただ学生の場合だと話が違ってきます。
学生専用に貸している部屋があって、断然安かったりします。しかも部屋が広くて一部屋に専用トイレ・お風呂付きなんてのもある。
カーディフは大学もあるので学生街でもあります。知人に学生用の部屋はたくさんあって余ってるくらいなのに、社会人用は全然ないんだよね〜と言っていました。探してみるとこの言葉が身にしみて分かります。
もちろん都市から離れていけば行くほど安くなっていきます。カーディフへのバスは発達しているので中心外で探すのも選択肢に入れるべきかもしれません。とはいえ中心地で安いものが見つけられればラッキーですね。
ウェールズの支払い方法
これはイングランド全土共通だと思いますが、カード決済が主流でした。あくまでカーディフはカード社会でした。
スーパー、カフェ、公共交通機関でカードのタッチ決済ができるのであまり現金は使いませんでした。むしろカードの方がスマートにこなせて、セルフレジなんかもカードのみだったりしたのでクレジットカードがオススメです。カード支払時も割り勘できます(お店の人に割り勘と伝えてね)。
ただ稀に日本から持ってきたカードが拒否されたり、現金のみ、イギリス発行のカードのみなんてところもあるので現金は少し持っておくことをオススメします。
昨日使えたお店で今日はカードが拒否された、さっきのお店で使えたのにここは使えないなんてこともあったので(きっと端末のせい)、クレジットカード2枚(会社違い)と現金があると安心かと思います。
クリスマスマーケットでもカード決済ができたので、カーディフはカード社会がかなりすすんでいる印象を受けました。すごい便利。
ドイツのクリスマスマーケットでは現金のみだったので、カーディフのが進んでるな〜と少し誇らしげになってしまいました(笑)
ウェールズの交通網
ここはウェールズの首都カーディフを元にお話させていただきますが、カーディフでは基本的に車、バス、電車が移動手段になります。
一番は車になりますが、長期滞在者や住民でない限りはバスが主流になると思います。車がないと移動が大変ではあるんですが、至る所渋滞してます。
バスは専用道路があったりして先に行けたりしますのでスムーズだったりします。渋滞にはまったら少し先で降りて歩くのが良かったりします。
私の場合、いつも渋滞するエリアが決まってたので、目的のバス停より少し先で降りて、歩いて目的地へ向かいました。そうすると乗ってたバスを追い抜いて、一個前のバスが目的地のバス停に着いてるところだったりします。カーディフでバス移動する際、始めは余裕をもって移動することをおすすめします。
バスの支払いは、クレジットカードのタッチ決済ができるので乗る前にピッとかざしてください。現金の方も乗る前に支払います。基本同一料金なので行き先は言う必要ないです。長期滞在の方は、アプリがあるので定期券を買ってバーコードをかざすだけというのがおすすめです。
乗る時は「Hi」など挨拶をし、降りる時は「Cheers」「Thanks」とありがとうを言うのがカーディフ流。始めは照れたとしても言ってると慣れてくるので、言えるとグッド!Cheersはありがとうと言う意味でこっちのがより現地ぽいです。
遅延は当たり前にありますが1分〜10分くらいで、大幅な遅延はありません。大体のバス停には電光掲示板があって、〇〇行き あと何分着というのが見れるようになっています。
たまに恐ろしいのがさっきまで表示されていたバスが消えてCanceledとなることがあります。一体なぜ?(笑)一緒に待ってたおじいちゃんがまたか!ってキレたことがあって、そんな反応もイギリス人ぽい(笑)
理由やシステムは謎のままですが、普通なことみたいです。けどそんなしょっちゅうは起きません。私が体験した時は、遅延が遅延を呼び同じ路線のバスが溜まって一気に来る時や夜にキャンセルが起こってました。夜に寒い中キャンセルされたときは絶望を感じましたけど…1時間以上まったんだから…!!
ちなみにロンドンで有名な2階建てバスもカーディフで走っていて、路線によっては走ってます。ロンドンみたいに赤くはないけど見晴らしがよくて楽しいです。
まとめ
いかがでしたでしょう。ウェールズはイギリスを構成する国の一つですが、独自の文化も持っています。イギリスの一つではなく、性格を持った一つの国という印象を抱いてもらえたら幸いです。
ロンドンよりは少し物価も安く、人は優しく日本人の正確に近いところがあり、交通網も整備されているので旅行するのにも生活するのにも快適なとこかと思います。
また別記事にてウェールズの都市カーディフについても深堀りしていこうと思いますので、よろしくお願いします。
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